お知らせ
buroをフォローする

200V半自動溶接のワイヤーの出が悪くなってしまった時の対処法

溶接

溶接を始めたばかりだと経験してない方は多いと思いますが、溶接していると必ず起きることがあります!


「スパッタが多くなった」、「ワイヤーの出が悪い」、「ワイヤーが出てこなくなってしまった」


ということがあります!溶接工として長く働いている方は経験ありますよね!


特に大電流で溶接してたら、「パタパタパタ…パ…タ……パ」とワイヤーの出が悪くなり、終いには止まってしまうことがあります。


見習い溶接工<br><br>
見習い溶接工

あー詰まってるかも!

buro
buro

掃除してないからだべやー!

暇なときやっとけって何回も言ってるべー!


なんてことあると思います!(笑)

忙しい時にワイヤーが出てこなくなると仕事進まなくなるし完全溶け込み部分(フルペネ)でなると厄介です。


結論から言いますと、送給装置からトーチ部分にかけてどこかの部品が詰まっているか、送給ローラーの摩耗が考えられます!


半自動溶接は送給力が命!ここがメンテナンスされていないと、どんなにすご腕の人が良い機械を使っても、高品質の溶接は出来ません!


そこで本記事では、溶接ワイヤーが詰まって出てこなくなる原因と、メンテナンスの仕方を各項目で解説します!


この記事を見れば溶接ワイヤーが出てこなくなる前に対処し、メンテナンスの仕方まで学べます。


ワイヤーが出てこなくなる原因

機械の故障以外に考えられる原因は、溶接ワイヤーを加圧して送り出す過程でワイヤーメッキ部分が剥がれ、その剥がれたカスがトーチ部分をあちこちにまき散らし詰まらせる。


送給ローラーの摩耗によりワイヤーが出てこなくなることが考えられます。

送給ローラーは毎日使っていても数年後に摩耗で変えたりする部品なので、ワイヤーが詰まった時は一番最後にチェックすると良いと思います。


詰まりやすいワイヤー

  • フラックス入りワイヤー
  • 中国産や、韓国産の溶接ワイヤー

これらのワイヤーは比較的に詰まりやすくなります。


フラックス入りワイヤーは亜鉛メッキ塗装の使用時は使わないといけない物なのでしょうがないですが、韓国産や、中国産のワイヤーは使ったことありますが、国産のワイヤーに比べて三倍は詰まりやすく感じます。


buro
buro

できれば国産のワイヤーを使いたいところですね!


詰まる部品はメンテナンスするだけで復旧することができます!

メンテナンスは無駄なことをしないためにも優先順位ごとにチェックすることが大事なので、先に見るべき順番から説明していきます!


  1. チップ
  2. ライナー、スプリングライナー
  3. 送給ローラー周りの穴
  4. 送給ローラーの摩耗

チップ

まず一番最初に確認するべき場所です。

簡単にチェック出来る場所なのでまずはペンチで外してすんなり外れるか見てみましょう。

ここですんなり外れなかったらチップが原因かもしれせん。詰まっていると簡単に外れません。


チップが詰まる原因


  • スパッタ付着防止剤のディップ
  • ワイヤーがこすれて出てくるカス

僕の会社では、スパッタ付着防止材のディップタイプを使っているんですが、これを使うとスパッタはノズルに周りつかないんですがチップがすぐ詰まります。


スパッタ付着防止剤

溶接ワイヤーは、送給装置→トーチ→チップの順番で運ばれます。その過程でワイヤーがこすれて出るカスがチップに運ばれてきます。これも詰まる原因なんです。


チップのメンテナンス


チップは消耗品。

使っていると摩耗して穴が楕円になってきます。こうなると次のような事が起こります。


  • スパッタが増える(溶接をすると必ず出る小さい粒状のもの)
  • 電流、電圧が安定しない

電流とは=ワイヤーを送る速さ

電圧とは=ワイヤーを溶かす量


スパッタ
新しいチップと消耗したチップ

スパッタは溶接後必ず除去しないといけないものなので、たくさん付いてしまっては作業効率悪くなりますよね!


チップが消耗した状態で使用すると、電流、電圧が安定しなく、スパッタが多くなるので必ず交換しましょう!交換目安は最低でも20kgスプールを一つ使ったら交換するようにしましょう!


ライナー(コンジットチューブ)、インナーチューブ

2番目に確認すべき場所でこの部品も消耗品。


この部品も朝から夕方までびっしり使っていたらワイヤーが擦れたカスで数ヶ月で詰まります。


チップと同じでワイヤーが出なくなり、電流、電圧が安定しなくなったりします。

チップを交換しても改善されないならライナーと、インナーチューブを交換しましょう!

ライナー、スプリングライナーはトーチに合った物を入れないといけません。

トーチの根本に表記されてるトーチの種類を確認してから部品を交換していきましょう!


ライナーの交換の仕方

まず送給装置のトーチの根本を六角で外します。



外したら溶接ペンチで画像のように掴みグリグリ引き抜きます。



ある程度引き抜けたら手で掴み抜き取ります。

新しいライナーを差し込みます!

この時グネグネするのでなるべく短く持って入れていって下さい!少し力がいるので長くもっていると折れてしまいます。


折れたら使い物にならなくなるので慎重に!

ライナーはトーチが使っていると伸びてしまうので長く作られています。

箱にも書いてありますが、大体10ミリぐらい長めにします!



ライナーの端まで135ミリ



なので一度引き抜き125ミリペンチで切ります。

再び入らなくなるまで差し込んでいきます。

次にトーチケーブルを2回くらい時計周りにぐるぐる回していくとライナーが奥まで入っていきます。

これで入らなかったら指でグッと押すと入ります。

これで完了です!


ライナーを短く切り過ぎたり、長くしすぎて無理に入れたりすると電流、電圧が安定しなくなるので注意が必要です!


ライナーの掃除方法

塗料用シンナー、ラッカーシンナーの一斗缶に透明なカバーが付いてる境目までぶちこみます。

引き抜き一斗缶にガンガン当てると汚れていると真っ黒になります。これを繰り返し汚れがなくなったら最後に圧縮空気でエアブローして完了です。


エアブローしないと溶接に孔あきます。


送給ローラー周りのワイヤーが通る穴

3番目に確認する場所です。


この穴にもカスが溜まってワイヤーが出なくなるんですよね!

送給ローラー外せば取れるので掃除しましょう!

溶接ワイヤーを短く切ったのでシュポシュポやったら綺麗にカス取れますよ!


送給ローラーの摩耗

最後に確認する場所になりますが、ここの部品って数年くらいで摩耗する部品なんでなかなか交換する機会ないです。


チップ、ライナー、送給ローラー周りのワイヤー通る穴の部品を交換して駄目ならここしかないんですよね!

新しい部品と交換すると送給力は復活します!


見習い溶接工
見習い溶接工

でも詰まってワイヤー出てこなくなる前に送給力って調べる方法ないんですか?


buro<br><br><br><br>
buro



あるんです!簡単にチェックする方法が!

こちらの動画をご覧下さい。

かんたん送給力チェック方法

簡単送給力チェック方法

この動画のように手のひらにワイヤーを当ててワイヤーが出てくるのなら送給力は生きてます!

誰かにインチングボタン押して貰って下さいね!

トーチスイッチ押しながらは危険ですので!

出てこないなら紹介したやり方の順番で部品を交換してみてください!


まとめ

半自動溶接は送給力が命です。

暇なときに動画のように送給力チェックを日頃からしておけば忙しい時に部品交換しなくてすみます!

1.チップ、2.ライナー、3.ローラー周りのワイヤー通る穴、3.送給ローラーの順番にチェックしましょう!

最後まで読んで頂きありがとうございました!

コメント

タイトルとURLをコピーしました