ガスの圧力調整の仕方がわからないんですけど
どのくらいあげたらいいんですか??
軽くひねっとけば大丈夫だ!
軽くって・・・適当だな
よくわかってない人が多いんじゃないでしょうか!
結論から言うと下記の使用例で問題ないかと思います!
- 酸素圧力 0.3MPa
- アセチレンガス 0.02〜0.03MPa
ですが、物によっては圧力をもっと上げなければなりません!という感じです!後に詳しく解説します!
そして、その取り扱いには十分な注意が必要で、特に初心者の方にとっては、安全に使用するための正しい取り扱い方法を知ることが重要です。
爆発物ですからね!誤った使い方は命にかかわります!
そこで本記事では
- ガス切断器とガス溶接器(加熱器)の種類
- 圧力調整器の目安
- 安全に使用するための点検
- 使い方
このテーマに沿って解説していきます!
前半の記事でガストーチ類の種類と圧力調整について解説し、後半の方で、安全に使うための点検方法と使い方を解説します。
ガス切断とは
鉄工所では、なくてはならない道具ですね。
アセチレンガスと酸素を使うガス切断器による切断面はレーザー加工機、プラズマ加工機より劣りますが、滑らかで精度が高く、極厚サイズの鉄板も切断が可能なため、工業分野で広く使用されています。
ガス切断機の原理は、高温の炎で金属を加熱し、高圧酸素を吹きつけて酸化反応を起こし、切断するというものです。
炎の温度は、燃料ガスと酸素の流量の調整によって制御されます。
ガス切断器は主に2つに分類される
に分かれます!
低圧式はさらに2つに分類される
低圧式には、さらにドイツ式、とフランス式に分かれます。
ドイツ式は、切断用と予熱用が別で、火口の高さを一定に保たないと切断できない。質量もあり、構造が複雑で、高価すぎてあまり普及していません。
ドイツ式?!調べて初めて存在を知りました(汗)
知らない人多いんじゃないでしょうか?
フランス式はみなさんがよく目にするタイプの1型切断器(中切り)ですね!
ガス切断機には様々な種類があって用途が色々あり使い方が混乱してしまいます。
そこで種類ごとにまとめてみました!名称は何社ものメーカーが色々な言い方をしているので分かりやすく細かく話していきます。
ガス切断機の種類
- 低圧用中型切断器(中切り) 他社では1型1号と言う
- 中圧チップミキシング方式切断器(中圧式切断器)
- 低圧用A型切断器(A切り) 他社では1型2号と言う
- 低圧用B型切断器(B切り) 他社では1型3号と言う
- C型切断器(C切り)
このような種類に分けられます。
低圧用中型切断器(中切り)他社では1型1号
お馴染みの切断器なので
どこの鉄工所にもあるんじゃないでしょうか!
切断酸素、加熱酸素、アセチレンの3つバルブが付いてるのが特徴です。
この切断器のスペック(性能)を表にまとめました。
中型切断器 | |
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全長 約450ミリ | 重量 約600グラム |
酸素圧力 0.2〜0.3MPa | アセチレン 0.02〜0.03MPa 0.2〜0.3kgf/c㎡ |
切断能力 1〜30ミリ | 火口番号 1番 2番 3番 |
僕の会社での低圧用中型切断器(中切り)1型1号の使用例
- H鋼のフランジの耳切
- コラムマド抜き(28ミリまで)
- グラインダーが入らない狭い場所の解体
- 現場の軽量のダメ直し
ほんの一部の仕事に使う例ですが、鉄工所にはなくてはならない道具ですね!
中圧式切断器(チップミキシング)
三本の管が特長で、板厚100ミリ〜150ミリまで切断することができます。中切り切断器より逆火、逆流予防に優れている。
中圧式切断器を略して中切りと呼びません!あくまでも中圧式です。
中圧式切断器 | |
---|---|
全長 約500ミリ | 重量 約800グラム |
酸素圧力 0.2〜0.6MPa | アセチレン 0.02〜0.06MPa 0.2〜0.6kgf/c㎡ |
切断能力 3〜150ミリ | 火口番号 00番、0番〜6番 |
150ミリ切るときは酸素0.6MPa、
アセチレン0.06MPaもあげなきゃならないんですね!
自社での中圧式切断機の使用例
- 柱ベース孔ふかし
薄い材料も切れますがでかいし、重いので
使いにくいので僕の会社では厚板の孔ふかし1択ですね!
低圧用A型切断器(A切り)他社では1型2合
中圧式と能力が似てますが構造が違いますね。A切りになると100ミリくらいまでの厚板を切ることができます。
A型切断器 (A切り) | |
---|---|
全長 約500ミリ | 重量 約800グラム |
酸素圧力 0.3MPa | アセチレン 0.03MPa 0.3kgf/c㎡ |
切断能力 1〜100ミリ | 火口番号 1番、2番、3番 |
僕の会社にはありませんが、中圧式と比べると酸素、アセチレンの圧力も少なくてすむし、火口番号も3種類ですむので管理が楽そうですね!
低圧用B型切断器(B切)他社では1型3号
使ったことも、見たこともありませんが、極厚対応で、A切の上のランクですね!
B型切断器 (B切り) | |
---|---|
全長 約580ミリ | 重量 約850グラム |
酸素圧力 0.5MPa | アセチレン 0.05MPa 0.5kgf/c㎡ |
切断能力 50ミリ〜200ミリ | 火口番号 4番、5番、6番 |
最低が50ミリからとか…
凄すぎる…
C型切断器(C切り)
超極厚対応の超特殊な切断器です。
いったい何につかうんでしょうね?(笑)
300ミリまで切れるんだとか!(笑)
メーカーによって言い方が違うので困惑する
しかし、坂口製品以外使っている人は困惑する部分があります。
低圧切断器の形状をした中圧切断器も出てきていたり、もうAとかBとか困惑します。
そこで、ガス技能講習の教科書、小池酸素工業、阪口、千代田のサイトなど見比べながらまとめてみました。
- 切断器には低圧用の7kPa未満と中圧用の7kPa以上のものがある。
- 一般的には薄板用途としての中切りと、厚板用のA切りがある。(これはいずれも低圧用吹管。)
- A切り、A号、A形と、メーカーによって呼び方が異なる場合もある。
- 阪口ではB切り、B型を中圧用として記載。
- 千代田の低圧用では中型、A型、B型、C型、G型と呼ぶものもある。
- AとかBとかの文言は溶接用吹管のみならず切断用吹管でも使う。
- 低圧切断器の形状をした中圧切断器も出てきている
ここが完全に混乱するところかと思います。
切断器のA、Bはメーカーが用途で区別するのにつけたって解釈で良いのかもしれません。
いつのものか分かりませんが小池のPDFを見ると低圧用切断器のことが書かれていて、中型1号、A号、(2号)、3号と書かれていて、2号とA号が同じ意味合いになったりしている書き方がされてますね。関東では1号切断器(1切り)、関西では中型切断器(中切り)と呼ぶと書かれています。
結論としては各メーカーのスペックを確認しながら購入しないといけませんね!
名前だけで判断すると思った商品届かないかもしれません。
あ〜頭痛い(笑)同じ意味合いで統一して欲しいですね!
安全に使用するための点検の仕方
アセチレンガスやプロパンガスは大変危険な爆発物です。
使用前の点検をおこたると事故につながる恐れがあります!
使用前の点検
- 圧力調整器はしっかりついているか(接続部に油分、ゴミはないか、変形していないか)
- 各連結部、ホースから漏れがないか(石鹸水でチェックする)
- 切断器に火口はしっかりついているか(変形はしていないか、バルブは破損していないか)
上記を使用する前には必ず点検しましょう!
点検をおこたると爆発する危険性があります。
ガス切断器使い方
一番使用される中切りタイプで説明します。
まず酸素圧力0.3MPa、アセチレン0.03MPa(0.3kgf/c㎡)に合わせます。
次に専用ライターを使い火をつけていきます。
たまにタバコ吸う人ライターでつける人いますがライター爆発しますよ!
アセチレンのバルブを回し、専用ライターを「チャッ」とつけると
この状態から酸素のバルブを回していきます。
このときに「シューッ!!」と音が大きくなり、そのままバルブを回すと「パッ!」っと音がなった瞬間に音が静かになっていきます。
それがこの状態
写真では発光してしまって見にくいのですが、外側の青い火の中にさらに青白い火が出てきますが、これを必ず根本までなくなるまで酸素バルブを回して下さい!
それでは9ミリの鉄板を切断していきます。
まず火を切る材料に近づけ、赤くなるまで待ちます。
赤くなったら切断器の上部の高圧酸素バルブを回すと「シューッ!」と音がなり、目で見てもわかるんですが、高圧酸素の青い火が出てきます。
この状態にしたら鉄が切れる状態になってるので進んでいきます。
着火時撮影のため素手ですが、ご了承ください。危険ですので必ず皮手袋着用してください!
ガス溶接器とは
切断器とは違い切断する目的はないので、加熱酸素、アセチレン(プロパン)の2つのバルブしかついてません。
ガス溶接器は切断器と同じやり方で火を作ります。
主にガス溶接用溶加棒を使った溶接や、矯正、逆歪などにも使われます。
種類もさまざまですが、ガス溶接器にもA型(ドイツ式)B型(フランス式)とありますが、みなさんがよく使われるタイプのB型(フランス式)を紹介します。
- 小型溶接器
- 大型溶接器
- 大型加熱器
小型溶接器
イージーショット落として亀裂入って、中身が漏れてしまった事ないですか?
そんな時この小型溶接器の出番です。
鉄なら普通の溶接機で直せないの??となりそうですが、とても薄く作られているのでハッキリ言って無理です!穴だらけになって使い物にならなくなりますね!
小型溶接器があれば溶加棒を溶かして溶接して直すことができるんですね!
壊れた具合いにもよりますが…
小型溶接器 | |
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全長 325ミリ | 重量 520グラム |
溶接能力 0.5〜2.5ミリ | 火口番号 50 70 100 140 200 |
酸素圧力 0.2MPa | アセチレン 0.02MPa 0.2kgf/c㎡ |
大型溶接器
これも鉄工所では御馴染みなんじゃないでしょうか!
便利すぎて、もはやこれなしでは鉄骨屋は語れない。
自社での大型溶接器の使用例
- 柱、梁、溶接変形後の矯正
- 逆歪み
- 現場溶接フルペネ部の加熱
大型2号溶接器 | |
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全長 約625ミリ | 質量 約780 |
酸素圧力 0.5MPa | アセチレン 0.04〜0.06MPa 0.4kgf/c㎡〜0.6kgf/c㎡ |
溶接能力 12〜45ミリ | 火口番号 1200 1500 2000 2500 3000 3500 4000 |
たまに切断器で炙る人いますがめちゃめちゃ遅いです。できなくはないんですが、時間かかっちゃうんですよね!
大型加熱器
プロパンの加熱器は板厚が厚い材料の矯正や、逆歪みに特化してます!
大型溶接器と比べても桁違いです。
酸素の減り方も桁違いですが(笑)
あると便利ですね!
大型加熱器 | |
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全長 1320ミリ | 重量 2040グラム |
作業板厚 5〜50ミリ | 火口番号 7500 10000 |
酸素圧力 0.8MPa | アセチレン 0.08MPa 0.8kgf/c㎡ |
以上加熱器の説明でした!
以上長々と読んでいただきありがとうございました!
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